幼稚園・保育園・専門家と一緒に子育てを考えるチャイルドコミュニティ
教えて先生
第1回
朝、泣いて幼稚園に行きたがらないのですが…。
八王子桑の実幼稚園 園長 渡辺喜代子先生
先生イラスト
こういったことは、入園当初にはよくあることですね。入園式を済ませて2,3日は張り切って出かけていたのが、4,5日たつうちに、行くのを渋るようなることもよくあります。

今朝(4月下旬)も、「幼稚園の服はイヤ!」と門の前で大泣きする3歳児がいました。先生が門まで迎えに出て、幼稚園の服を着たくなければ「そのままの服でいいですよ」と抱いて連れてきました。その子はしばらく泣いていましたが、そのうちに何事もなかったように動き始めていました。

初めての園生活は、3歳児にとっては大きな不安を伴うものです。不安な気持ちを泣いて表現する子もいれば、園内を駆け回って大はしゃぎしている子もいます。はしゃいでいた子が、みんなが泣かなくなったころに、朝の別れ際に泣きだすこともあります。はしゃぐことも不安の表れなのでしょう。

お母さんにとって朝ぐずるのはとても心を痛めることです。「こんなに嫌がっているのに無理に行かせるのは、かわいそう」と悩むこともあるでしょう。そんな時は、「今日は休ませちゃおう」と自分なりに判断するのではなく、ぜひ幼稚園に相談してほしいですね。悩んでいることを話してくれた方が、園としても対応しやすいのです。

4月の保育目標は、どの幼稚園もほぼ同じだとは思いますが、本園の場合は『楽しい幼稚園』です。今3歳児には、いろいろなことが起こっていて、先生たちが温かな対応をしているところです。
自分ひとりの世界をもつ3歳児。
大好きな車のおもちゃで「ブーブー」と遊んでいるところへ、突然やってきて車をもっていかれたり、砂場でお山を作っていると悪気なく壊されたり…。そんなことが起きると「やめて!」「邪魔しないで!!」と言えずに、ひっかいたり、たたいたり、砂をかけたり、とっさに自分の世界を守ろうと手が出てしまいます。

3歳児は、自分の世界を壊されたくなくて必死です。そのためには、相手を傷つけてしまうことも多々あります。そんな時、やってしまった子の親はとても申し訳ない気持ちでいっぱいになり、またやられた子の親も、大事な我が子が傷つけられて怒りがおさまらないかもしれません。

でも、社会生活、集団生活の第一歩を踏み出した子どもたちには、いろいろな思い、葛藤があって当たり前です。親も子どもと共に学んでいく第一歩だと思って、お互いのことを考えられる保護者になっていただけたら、きっと良い方向にいくと思います。 こんな時にも、ぜひ幼稚園に相談してください。

皆で、よりよい園生活を送れるよう考えていきましょう。