幼稚園・保育園・専門家と一緒に子育てを考えるチャイルドコミュニティ
コラムタイトル
夜ふかしは慢性の時差ぼけ
 「子どもは寝入ったら、朝までグッスリ眠るもの」という誤解があります。
 実はヒトの眠りには浅い眠りと深い眠りがあります。寝付いたあと、この「浅い眠り」「深い眠り」のセットを何度か繰り返して朝になるのです。眠りが浅くなると寝返りを打ったり、寝言を言い、赤ちゃんなら泣くこともあります。このセット1つの長さは、大人では90~100分。生まれたばかりの赤ちゃんでは40分、2歳で70分、5歳で80分ほど。つまり小さいお子さんほど夜はしょっちゅう眠りが浅くなるのです。
 あなたは、小さい頃から自分ひとりの個室で寝起きしていましたか? そうすると、初めて見る赤ちゃんの寝姿が自分のお子さんということも珍しくありません。わが子の眠りが1時間足らずの間隔で浅くなるとビックリしてしまい、場合によっては、「自分の子どもの眠りは浅い」とパニックになってしまう親御さんもいます。でも、多くの場合は、眠りの生理的な変動。心配はいりません。
 眠りが浅いほどよく動き、小さいお子さんほど短い周期で眠りが浅くなるのだということを、ぜひとも知っておいてください。お子さんが夜中に眠りが浅くなったり目覚めたときは、暗い環境で静かに対応してあげましょう。夜に明るくにぎやかに対応すると、赤ちゃんの生体時計が夜と昼とを取り違えてしまう恐れがあります。
 逆に昼寝のときには、真っ暗にする必要はありません。生活騒音もある程度はあってよいでしょう。そのほうが、生体時計もきちんと動くからです。
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子育てコラム 著者プロフィール
東京ベイ・
浦安市川医療センター
センター長
神山 潤

東京生まれ、
東京医科歯科大学医学部医学科卒業
東京ベイ・浦安市川医療センター センター長
日本子ども健康科学会 理事
日本小児神経学会評議員
日本臨床神経生理学会評議員
日本睡眠学会理事
子どもの早起きをすすめる会発起人。

睡眠、特にレム睡眠を脳機能評価手段の一つとして捉える臨床的な試みに長年取り組む。 旭川、ロサンゼルスでは睡眠の基礎的研究にも従事。
米国から帰国後、日本の子どもたちの睡眠事情の実態(遅寝遅起き)に衝撃を受け、社会的啓発活動を開始している。

オフィシャルサイト http://www.j-kohyama.jp/